10年

明日で震災から10年がたちます。

地震のとき、志村は一人で厩舎の横板を貼り付ける(なつかしい写真)作業をしていました。
「目眩がするぞ~、疲れてるんだな~」などと思っていたら、電線が大きくたわむような揺れとなっていきました。

やがて春になり、開設間もないクローバー牧場にも被災地から避難してきた子どもたちが来てくれました。
NPOが子どもたちを招待して山梨県で預かり、なるべく楽しく笑顔で生活をさせてあげるという活動でした。
「あんなところで生活させるなんて子どもたちがかわいそうだから」と主宰者がテレビで訴えてました。
クローバー牧場では希望者に無料で引き馬体験。

でも、そのとき、志村は少しの違和感を覚えていました。
今(その当時)は、まさに被災地が地獄のような状況から立ち上がり、復興に向かって踏み出そうとしているとき。
現地にいる大人たちが涙をかみしめ、歯を食いしばりながら毎日を生きている。
見るべきではないか。
辛く苦しいことだけれど、その姿とその背中を見て、学ぶ必要はないのだろうか。
地獄のような状況でも「みんな、がんばろう」と笑顔で立ち上がり生きようとする大人たちから感じること、学ぶことは計り知れない。
そして。
この子どもたちもすぐに大人になり、やがては復興を担っていく存在になっていくのだから。
共にいて、見て、感じ、学ぶべきではないか。

でも、彼らが体験した悲劇と現地の惨状は志村の想像をはるかに超えているのだろうし、何より彼らがその内に抱えるストレスは計り知れない。
志村の考えは酷なのだろうか。

引き馬をしながら、そんなことを思っていました。

あれから、10年。
馬に乗ってくれた彼らもずいぶん大きくなったことでしょう。
「すごくゆれて怖かった」と言っていたあの子。
想いをはせています。

当時も、この10年間も、今も被災地の皆さんには何もしてあげられていません。
ただただ、祈り、願い続けています。

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