ありがとう Western Riding Club Rocky

モンゴルで馬と出会い、毎年のように出かけて馬で草原を走っていた。
他の外国や北海道や九州でも外乗ざんまい。
駈歩ざんまい。
「オレはかっこいい馬乗りだ」

でもあるときの外乗で、あれ?という悶々とした違和感を抱き、それが拭えなくなることに。
そんなとき御殿場ロッキーの外乗に初挑戦。
でも……、相変わらずの消化不良。
そんな僕の顔を見たからなのか「馬場で好きに乗っていていいですよ」とアントニオ。
よっしゃ!と駈歩をやるけれど、次第に馬が走らなくなる。
「志村さん、駈歩10周やってみて!」
ハイよ!
張り切ってやるのだけれど、続かない続けられない。
ついには無反応に。
「ダメダメ。ここからここまで駈歩をすると決めたなら、それをきちんと馬ができるようにするのが乗り手の仕事」

駈歩をする馬には乗れるけれど、駈歩をさせていない。
馬とコミュニケーションできていない。
それが僕の違和感。

以来ロッキーの会員となり、ひたすら馬場で自主練自主練、猛特訓。
それでも、何度やっても駈歩発進させらず、毎度毎度みじめにぶざまに練習を終えるシム。
それを見かねてアントニオが見せてくれる駈歩発進。
「こうやるんですよ」
シムの指示ではまったく走らない馬が、アントニオの見えない指示を受け一歩で駈歩する様を見て、不思議で仕方がなく、そして強烈に憧れた。
馬とアントニオの間に何があるのだ?

あるときの練習ではついにシムの心も折れ、体育座りでへたり込んでしまいました。
(センスがないのだな……)
そのとき、アントニオが地面に書いてくれた『志村と馬の心と身体のリズム不一致』の講釈は目からウロコものでしたよ(彼はきっと「何それ?覚えてない。知らない」と言うでしょうがね)。

ロッキーに通い始めひたすら駈歩発進の練習をし、まったくできない状態が3ヶ月ほど続いたある日。
できた!これだ!できるようになった!馬が駈歩の指示に応えてくれている!
あのときの感動と喜び、風を切る爽快感と自分の下で走る馬の躍動感を今でもはっきりと覚えています。
「そう!それ、志村さん、その足!」
馬場の中でたまたまボロを拾っていたアントニオがそれを見て声をかけてくれたのもはっきりと。
その日はずっと駈歩。

馬に乗ることの意味と奥深さと喜びを教えてくれたロッキーという乗馬クラブ。
今日で閉場となりました。
シムの馬人生の中で、とてもとても大きな存在でした。
アントニオ、たくさん、ありがとう。
もえちゃん、お世話かけました。ありがとう。
馬たち、ありがとう。
スタッフの皆さん、ありがとうございました。
ロッキーで出会った人たち、ありがとうございました。

クローバー牧場、がんばっていきます!