教育の鬼・シムブログ⑲~子どもの夏休み~
子どもたちはどんな夏休みを過ごしているだろうか?
シムの夏休みの思い出。
横浜の小学校時代、近所には小さな山があって獣道の坂道を這うようにして登り、太いツタでターザンロープを作り遊んだ。
寄せ集めの板きれでおそまつな小屋の基地を作り数人で身を潜めていたりもした。
うっそうとした木々の中は昼間でも薄暗く不気味なのだけれど、だからこそゾクゾクしていて、そこで創造できる遊びに夢中になった。
十五少年漂流記のミニミニ版のような気分。
帰るときはその獣道をお尻で滑りながら降りていくから当然ズボンはドロドロ。
身体中が汗と泥でグチャグチャで、だから家に帰って入るお風呂の気持ち良いこと、楽しいこと!
そんな過ごし方ができた。
そこに大人はいなかった。
自分たちだけの空間と時間だった。
小さな達成感。
充実感。
とにかく夏休みは自由だった。
今の子どもたちは夏休みも宿題がいっぱいなんだとか。
今の子どもたちは夏休みも習い事でいっぱいなんだとか。
今の子どもたちは夏休みに公園に行っても仲間がいないのだとか。
今の子どもたちはそもそも公園がないのだとか。
今の子どもたちは親御さんのスケジューリングで友達と遊ぶのだとか。
今の子どもたちは大人が見ているところでしか遊べないのだとか。
僕はこれらを批判、非難しない。できない。
こうなってしまわざるを得ない、こうせざるを得ない社会環境の変化がもたらされている。
僕はこれを嘆いている。
『夏のわすれもの』という作品を紹介します。
シムが授業するのが大好きでクラスで討論しまくった物語です。
4年生の教科書に載っていました。
おじいちゃんっ子だった少年がしだいに大人の世界から離れ、子ども集団の遊びと時間に没頭する夏休み。おじいちゃんが突然死んでしまいます。
悲しいのに涙が出ないという少年。
夏の情景が少年の心を大きく動かす様子が描かれる物語です。
すべての子どもにとってステキな夏休みとなりますように。