クローバーキッズ読み物 『クローバー牧場航海記2』

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クローバー牧場航海記2

荒れた海をクローバーの船はゆっくりとゆっくりと進んでいます。
シムは双眼鏡でまわりにいる船たちを見渡してみました。
ああ、遠くにキッズの家船が見えるぞ。
あっちにもいる。
こっちにもいる。
双眼鏡をモリコーとミキティに渡しました。
2人はキッズを見つけてニッコリとしています。
ああ、馬たちもみんなを見つけたようです。
クルリと耳を立てています。
目を丸くして、頭を高くしてみんなを見つめています。遠くにいるみんなをジッと見つめています。
(あ、あの子はいつも馬房掃除を一生懸命にやってくれる子だ)
(シムによく叱られている子もいるね)
(私によく乗ってくれる子!)
クローバーの馬たちは目を丸くして、耳を向けて頭を高くしてキッズのみんなをずっとずっと見つめたままです。
そのとき、甲板に寝そべっていたオリョウが、ググッと起き上がり、目を大きくして空に顔を伸ばしました。
「ウゥゥーッ!!ウワン!!ワン!!」
突然怒ったように吠え立てて、しばらく空をにらんでいました。
そして、またつまらなそうに甲板に体を伏せて目を閉じました。
遠くでは、いくつかの小さな船が病院船に近づいていくのが見えます。
患者さんたちが乗り込んでいくようです。
船がぎしぎときしむ音が聞こえてきます。
遠いのに、その音がはっきりと聞こえてきます。
空には黒い雲が立ちこめ、海の上を吹き渡るその風は、悪い風のようです。

船からこんな声が聞こえてきます。
まだ船を強く漕ぎすぎなんだ。
船が速すぎなんだ。
波を立てすぎるから嵐が止まないんだ。
こんな声も。
でも、漕ぐのをやめたら私たちの船も沈んでしまう。
大きな声も。
そうだよ!漕がないでいたら波に呑まれてしまう!
遠くから。
オレはもうこんなせまい船に乗り続けるのはつかれたよ。さっさと船を進めて嵐を抜けたいものだよ。
力のない声も。
それよりも非常食はどうなってるんだ。まだ届かないのか。もう船を動かす力も出てこない。

船に乗る人たちの声があちらこちらから響いてきて、大きくなって海の上がさらにざわつきました。

その時です。
誰かが、遠くを指さして言いました。
「島が見える!」
突然現れたその島は、荒れる海の上に広く大きくそびえ、横たわっています。
そして、なんと不思議なことでしょう。
その島のはるか向こうの空は白い小さな雲がポンポンと浮かび、空青く見えるのです。
島の向こうには美しいおだやかな空が広がっています。
「嵐じゃない空だ!」
「青い空だ!」
「あの島を越えれば嵐を抜けられるぞ!」
あの島を目指そう。
誰が言うでもなく、人々は船の先を島に向かわせました。
おびただしい数の船が一斉にその島に向かいます。
誰かがロープを病院船に投げ込みました。病院船を引っ張るためです。。
ある船は病院船を後ろから押し始めました。
いくつもの船が同じことを始めました。
病院船はギシギシと音を立てながらみんなの力で進んでいきます。
クローバーの船も、キッズの家船もゆっくりとゆっくりと進んでいきます。

キッズのみんな
毎日をどう過ごしているかな?
お手紙をくれる人がいてうれしいです。
勇気が湧いてくる。
コロナウイルスはまだしぶとくてなかなかおさまりそうにないようすだね。
でも、みんながお家の船にしっかり乗り続けていれば嵐の止んだ空を見つけられるから、そのときまで
辛抱しよう。
辛抱って知ってるかな?シムのお友達が教えてくれた。
「つらさを(かなり長期間)じっと我慢する、またつらい仕事をじっと耐えて勤めること」
と言う意味だそうだ。
シムたちも、今、クローバーでの毎日を辛抱しながらがんばっている。
みんなにとっては退屈なこと、つまらないことのオンパレードかもしれないけれど、それがどうした辛抱しろ!
って強く言うよ。
辛抱しながら、自分がやるべき毎日の仕事をやり続けていくことだ。
そして、いつもは気づけなかった小さな喜びや楽しみを見つけなさい。
がんばりなさい。
次回は、馬の様子を手紙に書くよ。
ちなみにシムは今、ブッチに乗って調教しています。(^O^)v

それでは、また!

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クローバー航海記2